毛穴が汚れると気になってしまうものです。常に肌は綺麗に保ちたいものです。
そんな悩みを抱える方に「毛穴を綺麗にする」方法について解説させて頂きます。
毛穴が汚れる原因について
毛穴の開きや黒ずみといった毛穴トラブルに悩まされることも多いですが、私たちのお肌をきれいに保つために大切な役割を担っている面もあります。
毛穴には、細菌などから肌を守る角質層内にある「バリア機能」、体内にある老廃物を汗や皮膚とともに外へ出す「デトックス機能」、そして寒さや暑さを調節する「体温調整機能」があります。
また、毛穴には大きく分けて
- 「産毛が生える毛穴」
- 「毛が生える毛穴」
- 「皮脂を作り出す毛穴」
と3つの種類があります。
毛穴トラブルは、この「皮脂を作り出す毛穴」が機能しないために発生します。毛穴を清潔に保っていないと、毛穴の開き、黒ずみや角栓、たるみ、ニキビといった様々なトラブルの原因になります。
皮脂を作り出す毛穴を機能させてあげるためには、まず毛穴の役割をしっかりと理解することが重要でしょう!
毛穴はなぜ開く??毛穴の開きが起こる原因とは
乾燥やニキビ跡などの肌トラブルからホルモンバランスの乱れ、加齢といった副次的な原因で毛穴の開くこともあります。毛穴の開きの原因には様々な要素が候補になります。
医師の見解!毛穴の脂、汚れについて
ニキビや毛穴の汚れについて、医師の見解があります。参考で頭に入れときましょう!
ニキビにお悩みの方や脂性が気になる方がよくはまる落とし穴、それは洗顔料のCMです。たっぷり脂の詰まった毛穴(と思われる)袋から、洗顔料によって脂が魔法のように外に出て行く、あのCMです。
洗顔フォーム、クレンジング、石鹸なども似たようなCMや雑誌広告を出していますので、かなり多数の商品がこの手の宣伝をしていることがわかります。
はっきり言います、あれ、ウソ。ありえない。毛穴の脂は洗顔でゼッタイ落ちません。
たとえばあなたの車を洗車して、表面のワックスや汚れが落ちたとして、ガソリンやエンジンオイルまで出てくるでしょうか?
医学的にご説明します。洗顔で落とせるのは、正確に言うと毛穴の外に出た皮膚表面の脂(皮脂)です。毛穴の出口の狭い部分(毛漏斗部と言います)より深部の皮脂や、それを作り出す皮脂腺(くだもののザクロのような構造をしています)までは、洗顔料は届きません。
では、洗顔がニキビや脂性肌のケアに無意味かというと、実はとても大切です。
皮膚表面の皮脂が洗顔で失われると、その補充のため、毛孔内の皮脂が外に出されるしくみです。新しい皮脂を供給して、皮膚を保護するためです。
結果として、サイクルが促進され、毛包内の皮脂の除去につながります。余分な皮脂が減れば、毛穴の中のアクネ菌の増殖も減りますので、正しい洗顔は必要なのです。
ただし、1日に4回も5回も洗顔するのはNG。あまりに皮脂を奪いすぎると、かえって皮脂の増産につながるという論文もあります。1日1~2回、自分の肌質に応じて、丁寧な、こすらない泡洗顔をおすすめします。
皮脂はあなたのお肌が作り出す天然の貴重品です。皮脂は皮膚表面の汗や常在菌と協力して、弱酸性の天然バリアを作ってくれているのです。
院長:新澤みどり 皮膚科専門医・医学博士
要因(1) ニキビによる毛穴の開き
ニキビを発症すると、内部に炎症が起こります。肌のコラーゲンにダメージを与えることで、肌に緩みが起き毛穴の開きが目立ちやすくなるためです。
また、ニキビ跡に色素沈着が起こり、黒ずみも目立つ場合もあります。何度もニキビを繰り返すと、クレーターのような穴も開いてしまう時があります。
要因(2)皮脂の過剰分泌による毛穴の開き
皮脂は本来、汗と混ざり合って皮脂膜になり、肌の乾燥を防いでくれるものです。ところが、過剰に分泌されると、ベタつきやニキビなど、肌トラブルが起こりやすくなってしまいます!
皮脂の分泌量は思春期から増え始め、20代前半でピークになります。また、気温の上昇や偏った食生活など、様々な要因が重なって皮脂の分泌量が過剰になる場合もあります。皮脂が必要以上に分泌されると、出口である毛穴が押し開かれたような状態になります。
毛穴が丸く開いてしまうのが特徴で、開いた毛穴に皮脂が分泌されることでつまりが起こりやすくなります。その結果、毛穴が機能不全の状態になり、肌トラブルに繋がります。
要因(3)肌の乾燥による毛穴の開き
皮膚は外側から、表皮、真皮、皮下組織という3 層から成っています。
肌の潤いは、表皮の一番外側にある角質層の働きによって保たれているのですが、健康な肌は、角質層の細胞に天然保湿成分が豊富に含まれていて、細胞間脂質が水分をしっかりとキープしています。
さらに汗と皮脂が混ざり合ってできた皮脂膜が角質層にフタをして、水分が蒸発するのを防いでいます。
この皮脂膜と細胞間脂質と天然保湿因子の保湿機能によって、皮膚は外からの刺激から守られています。
乾燥肌とは、外気の乾燥などにより、皮脂や細胞間脂質が減少して、角質層の水分が少なくなった状態です。
皮脂膜の働きが破壊される、または皮脂膜のバランスが破壊されると皮脂膜は「アルカリ、または酸性に傾く、油分が過剰に出る」などの変化が出てしまうことがあります。さらに、角質層のキメが粗くなることで、アレルギー物質や細菌の侵入を防ぐ、肌のバリア機能が弱くなり、ちょっとした刺激でも、過敏に反応するようになります。
乾燥肌でかゆみなどの症状がみられるのはこのためです。
乾燥はこのような肌トラブルの原因にもなりますが、毛穴の開きにも関係してきます。
肌が乾燥してしますと、肌の1番外側にある皮脂膜がなくなって、皮膚が縮みます。その結果、毛穴が引っ張られるような形で開いてしまうわけです。
また、肌のいちばん外側にある角層から水分が失われると、紫外線や雑菌などの外的刺激から肌を守るバリア機能が低下すると、肌はバリア機能を整えるために、皮脂を過剰に分泌させて、毛穴の開きにつながることもあります。
肌の乾燥を放置すると、肌荒れが悪化し、角質まで剥がれ落ちてしまいます。
角質が剥がれ落ちた状態の肌に新しい肌が再生されても、保湿機能やバリア機能が従前よりも上手く作用しなる可能性があり、最終的に肌のたるみにまで発展してしまう可能性があります。
要因(4)肌のたるみによる毛穴の開き
本来は丸い形をしている毛穴ですが、肌がたるんでしまうと、ほおの毛穴がタテに伸びて目立つように。たるみにともなう毛穴の開きは、しずくのような形が特徴。
ほおを指でピッと引っ張ると毛穴が目立たなくなる場合は、たるみが原因かもしれません。加齢によるたるみが毛穴の原因となることもあります。
特に頬にみられる現象で、肌がたるんで下に垂れ下がってくると、毛穴も引っ張られて広がってしまうわけです。生活習慣が乱れていると、加速度的にたるみ毛穴になりやすいです。
基本的には、年齢を重ねると毛穴の開きが顕著になります。誰もが1年1年平等に歳を取ります。その老化のスピードには個人差がありますが、残念ですが老化を止めることはできません。
しかし肌を老化させる原因の7割は「光老化」。紫外線が原因なのです。
紫外線は肌のハリを保つためのコラーゲンやエラスチンを破壊するだけでなく、それらを作るための繊維芽細胞までも傷つけてしまいます。
これらの原因で、肌の土台が脆弱になり、肌がたるんでしまいます。たるんだ肌は下に垂れ下がってしまうので、引っ張られて毛穴も広がってしまいます。
要因(5)ホルモンバランスの乱れによるもの
ホルモンバランスの乱れによって毛穴が広がりやすくなります。生理などでホルモンバランスに乱れが起きると、皮脂の分泌が活発になるためです。
月経開始の週~排卵前の週は、肌が比較的安定している時期。にきびもできにくく、肌の調子がよいときです。
一方、排卵後の週~月経前の週は、肌が比較的不安定な時期。脂っぽくなって、にきび・吹き出物ができやすかったり、肌あれしやすいとき。ほてりを感じることもあるようです。特に小鼻は皮脂の分泌が多く、毛穴が目立ちやすいので注意しなければなりません。
要因(6)洗顔のしすぎでも毛穴が開く
洗顔のし過ぎはかえって毛穴の開きを引き起こします。
いじりすぎると肌は自身を守ろうとして角層が分厚くなり、毛穴がより一層目立ってしまう可能性があります。
また、必要な皮脂を奪ってしまって乾燥してしまう可能性があります。
洗いすぎないこと、保湿を徹底すること。洗顔をするのであれば、1日2回・朝と晩だけで十分です。
保湿は、化粧水でいったん肌の水分が増えても、すぐに蒸発して元の乾燥肌になる可能性もあります。化粧水をしてから、保湿クリームなどを塗って、蒸発しないようにふたをすることが重要です。
要因(7)慢性的なストレスによる肌荒れ
慢性的なストレスが溜まっていると肌荒れすると言われています。肌だけでなく、身体の様々な部分にも影響を与えてしまいます。またストレスを過度に受けると男性ホルモンの分泌が活発になるとも言われています。
要因(8)慢性的な睡眠不足による肌荒れ
慢性的な睡眠不足が続くと、毛穴の開きを引き起こします。人間は眠っている間に肌のターンオーバーが行われるからです。
寝不足だとターンオーバーが正常に行われず、毛穴が詰まり、皮脂などが押し広げてしまうことで毛穴が開いたり、肌が荒れてしまいます。
毛穴開きを改善&予防するには!!毛穴ケアの洗顔方法・おすすめ手入れ方法
毛穴の開きを改善・予防するためには、生活習慣の見直しをすること、正しいスキンケアを毎日続けることが大事です。今日からでもできる対処法を中心にいくつか紹介していきます。
クレンジング剤だけで洗顔しない
洗顔をクレンジングだけで済ませているのであればケアを見直しましょう!
クレンジング剤にはメイクの成分や大気のごみなどを落とす力はありますが、洗顔料のように皮脂汚れや古くなった角質を落とすことはできません。
また、朝にクレンジング剤を洗顔で使用するのも禁止です。
クレンジング剤は洗浄力が強いため、すっぴん肌には大きな負担になるからです。皮脂汚れなどが残っている状態で化粧水を使用し保湿を行っても、肌の奥深くにまで浸透しません。
スキンケアで過剰な皮脂を抑える
過剰に分泌された皮脂は、その日のうちに取り除くことが大切です。
朝と夜、洗顔料をよく泡立てて、皮脂汚れをすっきりと洗い流しましょう。うるおいを守って汚れをすっきりと落とす洗顔のコツは、たっぷりの泡が重要です。
泡が汚れを包み込むことで、肌をこすらずに落とすことができます。
水かぬるま湯を少しずつ加えながら、手を逆さにしても泡が落ちないくらいまでよく泡立てましょう。
1日に何度も洗ったり、ゴシゴシ肌をこするように洗ったりするのは厳禁です。
十分に保湿ケアを行う
乾燥を防いで角層のバリア機能を保つには、ていねいな保湿ケアが大切です。乾燥が毛穴の開きの要因ですから、保湿ケアをしっかり行いましょう。
保湿は、化粧水でいったん肌の水分が増えても、すぐに蒸発して元の乾燥肌になる可能性もあります。
毎日のスキンケアでは、化粧水と乳液を順に肌になじませ、水分と油分のバランスを整えましょう。
美容液やクリームなどをプラスするのもオススメです。化粧水をしてから、保湿クリームなどを塗ることで、蒸発しないようにふたをすることが出来ます。
肌のベタつきが気になる人は、さっぱりタイプの乳液を選んでみましょう!
「サッパリ」と「しっとり」の違いは、肌につけた時の感触ですが、保湿効果に差はないので、好みのタイプを選びましょう!
肌に良いフルーツや野菜を食べる
毛穴の開きの原因となる過剰な皮脂をコントロールするには、毎日の食生活も大切です。
肌に直接的なケアをしなくても、普段の食生活を意識することで毛穴の開きを予防することができます。
食生活をおろそかにしていると、ホルモンバランスを崩し新陳代謝が低下し、肌にストレスを与えてしまうほど、食生活は肌に影響してきます。
1. ビタミンC
ご存知だと思いますが、抗酸化作用の成分が含まれている「ビタミンC」はオススメです。ビタミンCはお肌に必要なコラーゲンを作るのに欠かせない成分であり、レモン等に多く含まれています。
2. リン酸
リン酸は、毛穴の開きやシワの改善に効果的で、レンコンやブロッコリー、たけのこ、アボガドに多く含まれています。
3. 皮脂分泌を抑えるビタミンB2・B6
ビタミンB2とビタミンB6は、皮脂の分泌が気になる人におすすめの栄養素です。牛や豚のレバーやバナナ、納豆、牛乳などに多く含まれています。
4. 糖質・脂質は控えめに!
甘いものや糖質、脂質の取りすぎは皮脂の分泌を増やしてしまいます。ニキビや肌荒れの原因にもなります。毛穴が気になる時は、スイーツや揚げ物などをなるべく控えめにしましょう!
美容専門家からのコメント
Kanako

- 職業:美容家 / 美容ライター
- 保有資格:日本化粧品検定1級 / アロマテラピー検定1級 / 色彩検定1級
- 経歴:大手外資系化粧品会社に13年勤めたのち独立
- SNS:インスタグラム https://www.instagram.com/aloha__kana
これまでに行ったスキンケアやメイクのアドバイスは約2万人以上に及ぶ。一人一人のライフスタイルや肌質、好みに合わせた正しいスキンケアや製品の使い方を提案している。現在は海外に移住し、海外コスメやナチュラルコスメの研究をしながら美容に関する記事執筆に従事。
<コメント>
毛穴悩みの原因の中でも、加齢によるたるみ毛穴は改善が難しく悩んでいる方も多いです。特に、紫外線の影響が原因の光老化は、自分では気づかないうちに進むものです。
紫外線は曇り空の日でも、晴天の日の6割くらいの紫外線量が地上に届いていると言われています。また、ガラスを通過するので、室内で過ごしていても影響があります。少しの時間でも、光を浴びる時は日焼け止めを塗る事を習慣づけ、未来の毛穴悩みを防ぐようにする事がおすすめです。
毛穴悩みを気にする事で起こる肌トラブルにも注意が必要です。強い日焼け止めや、毛穴カバーを目的とした化粧品は、毛穴に入り込み毛穴を詰まらせる可能性もあります。クレンジングは入念に正しく行いましょう。
山本 真由香(Mayuka Yamamoto)

化粧品検定の知識と店頭経験なども踏まえた専門的な知識を活かしながら、都内で美容部員として活躍中
保有資格:日本化粧品検定1級、ブログ:http://mayucocomemo.com
<コメント>
「毛穴悩み」と一言で現してもその症状と原因は様々なので、加齢や乾燥だけでなく、ストレスや睡眠不足などの生活習慣についても分かりやすく書かれており、非常に参考になります。
やはりニキビや脂性肌に悩んでいない方には必要以上に強いメイク落としや洗顔で顔を洗わない方が良いです。肌の潤いを閉じ込めている皮脂膜はティッシュペーパー1枚分の厚さしかないので、お肌を守る必要な油分を洗いすぎてしまうより、多少汚れが残っていたほうがお肌負担は少ないと思います。
また美肌を保つ上でとても大切な食事なのは食事です。ビタミンCなどの成分も意識して肌ケアしましょう。
